このシリーズは5回の連載記事です
ネットショップが軌道に乗るまでの間、じっくり取り組みたいことや心構えなどをシリーズでお伝えしています。
今回は「第4回:どうしたら売上を伸ばせるの?」です
ネットショップの売り上げの方程式
通販サイトの売上の方程式は、
「訪問者数×購入率×客単価」と言われています。
- 訪問者数:ショップに何人来てくれたか
- 購入率:訪問者の内、何パーセントの人が実際に購入してくれたか
- 客単価:一人のお客様の購入金額
①~③の一つ一つを伸ばすことによって、「売上」という数字が大きくなります。
前回「集客は『お店を見つけてもらう』ことから始めよう」で、①の訪問者数を増やすにはどうすれば良いかということについてお話しました。


今回は、②購入率と③客単価の伸ばし方について解説します。
購入率をアップさせるには?
通販サイトに訪問してくれる人の全てが実際に購入してくれるわけではありません。
「訪問したがすぐに離脱し、他のサイトに移ってしまう」ということはよくあることです。
検索や広告、SNSやブログのリンクからの集客で訪問者数を増やせても、実際に購入してくれる人の割合が少なければ、売上を大きく伸ばすことは難しいです。
ネットショップにおける購入率とは?
「訪問してくれた人の中からどれだけの割合で実際に購入してくれたのか」というのが購入率です。
購入率は、ネットショップ運営における重要な指標となります。
下記の計算式で出します。
購入率を出す計算式
購入率=購入者数÷訪問者数×100
コンバージョン率(CVR)とも呼ばれます。
何も買わずに帰ってしまう理由は?
実店舗においても、来店してくれたお客様が何も買わずに出て行ってしまうということはよくあることです。
熱意のあるショップであれば、なぜだろうと理由を推測して改善に役立てると思います。
実店舗では、お客様の様子や交わした会話から、ある程度の理由がわかる場合があります。
逆に、全くヒントがなくてわからない場合もあります。
ネットショップでは、お客様が去ってしまう理由が全般的につかみにくいため、改善するポイントを見つけるのが難しいです。
・ちょっと興味があってのぞいてみた程度。買う気はない。
・欲しい物があって来店したが、ここにはなさそう。
・欲しい物があるはずなのだが、どこにあるのかわからないからあきらめよう。
・欲しい物があるが、在庫切れで今すぐ買えない。
・このアイテムを買いたいが、他のショップでも見てみよう。比べてみよう。
・気に入ったものがあるが、もう少し考えてからにしよう。
・利用したい決済方法が使えないから、このショップで買うのはやめておこう。
・ラッピングなど、希望するサービスがない。
・店の雰囲気が気に入らないから利用するのはやめておこう。
上記は実店舗とネットショップの両方で起こり得ることです。
ネットショップでは、送料や、配送にかかる日数なども原因として考えられます。
お客様の理由によるものは仕方がないですが、ショップ側に原因がある場合は、改善できることがあるはずです。
チェックする項目
○ 品揃え
○ 価格
○ 在庫量
○ 決済方法
○ 送料・配送方法・お届け日数
○ ラッピングなどのサービス
☆ 商品ページの画像
☆ 商品ページの説明文
☆ 整理整頓
☆ お客様の動線・導線
☆ 問い合せ窓口
☆ ショップのデザイン
☆ ショップの雰囲気(親切・丁寧か、清潔感があるか、活気があるか)
☆ 季節やイベントの需要に合わせた商品展開
購入率だけでなくて、利益も意識する
○ 印がついている項目は、購入率・売上を伸ばすことだけを考えると、今度は利益を損なうことになる可能性をはらんでいます。注意しましょう。
例えば
- 競合他社より価格を下げると売れやすいかもしれませんが、薄利や赤字になってしまうかもしれません。
物を売るショップも、サービスを売るショップも、価格のつけかたには注意しましょう。 - 売り逃し(機会損失)がないように多くの在庫を抱えると、最終的には売れ残ってしまい、セールで在庫処分するしかなく、利益を残せないかもしれません。
また、保管場所の費用や管理の手間がかかります。 - 送料無料にすればお客様は喜んでくれますが、利益を削ってしまう可能性があります。
もちろん、適正な価格、適正な在庫量、適正な送料設定などを心がけることは大切です。
また、客層に合わせた品揃えも重要。
お客様が喜んでくれて、購入率がアップ。
その結果、売上が上がり、ショップは利益を得られるという
「ちょうど良い」ところがどこなのかがわかると、ネットショップの運営がやりやすくなります。
利益を損なわずできる購入率アップの施策は?
☆ 印がついている項目は、手間はかかりますが日々の心がけの積み重ねでできることが多いです。
お客様の満足度を上げるということは、このようなことからもできますが、忙しさに追われて忘れてしまうこともあるので、意識しておくことが大切です。
○ 印の条件が全て同じショップA、ショップBがあるとします。
☆ 印の項目はショップAの方が優れており、ショップBの方が劣っている場合、お客様が購入したいと思うのはショップAでしょう。
「欲しい商品を見つけやすいか」
「スムーズに購入できるか」
お客様目線でチェックすることが大切です。
PC、スマホの両方でチェックします。
ショップのデザイン(特にレイアウト、動線)は凝っているものよりも、ありきたりで普通のものの方が、どなたにもサクッと使ってもらいやすいです。
商品ページの画像、説明文についてはこちらの記事もご覧ください。


ネットショップ特有の離脱理由
先程「ありがちな離脱理由」の例を挙げましたが、それ以外にネットショップ特有のものもあります。
その一つは、「間違って来てしまった」というケースです。
これは、「キーワードでの検索結果に表示されたので訪問してみたが、思っていた商品・サービスを扱っているショップではなかった」というケースです。
意図しないキーワードを拾って検索結果に表示されるというのは、仕方がないことです。
ある程度は自然なことだと思いますので、対応する必要はないと思います。
リスティング広告は見直しが必要
リスティング広告を出している場合は、対策が必要です。
キーワードやターゲットの見直しましょう。
本当にその商品を求めているユーザーを集客することができて、購入率アップに繋がります。
無駄なクリックによる課金を減らすこともできるでしょう。
安心して購入してもらう
お客様が訪問してくれて、購入しやすいサイトであれば安心して利用してもらえます。
それだけでなく、新鮮さを感じてもらえると、ワクワクした楽しい購入体験をしてもらえるかもしれません。
人気商品のランキングを表示したり、新商品やキャンペーンを掲載するなど、ショップの「賑わい感」を感じてもらえると、安心につながるでしょう。
これらも購入率アップにつながります。
客単価の上げ方
ネットショップにおいて、「客単価」もとても重要な指数です。
通販サイトの売上の方程式は、
「訪問者数×購入率×客単価」です。
例えば、月間の売上目標が100万円の場合
客単価が10万円なら、10人に買ってもらえれば達成できます。
購入率が1%だとすると、訪問者数1,000人(1日あたり33人)が目安です。
高額商品なので、
購入率を0.3%とすると、訪問者数3,300人(1日あたり110人)が目安です。
客単価が1,000円なら、1,000人に買ってもらって達成となります。
購入率が1%だとすると、訪問者数10万人(1日あたり3,300人)が目安です。
単価が安いので、
購入率を3%としても、訪問者数33,000人(1日あたり1,100人)が目安です。
少し極端な例ですが、「客単価」によって、集客の目安が途方もない数字になるか、達成できそうな数字になるかをおわかりいただけるかと思います。
客単価が上がるほど、集客の労力が少なくても成果(売上)が上がるということになります。
では、通販サイトの客単価を上げるにはどうすればよいでしょうか。
客単価を出す計算式
客単価とは、一人あたりのお客様の(一度の注文の)購入金額のことです。
客単価 = 売上総額 ÷ 購入客数
売上総額、購入客数は一定の期間(例えば1ヶ月、1日など)で計算します。
客単価を上げる方法
ショップでできる施策として、下記のような方法があります。
- 商品の単価を上げる
- まとめ買い・セット買い
- 送料無料ラインを設ける
- 「松・竹・梅」の価格設定や、高価格帯の投入
商品の単価を上げる
すばり、商品の価格の設定を見直すことです。
価格競争で難しい場合もあるかと思いますが、適正な価格で販売できているかどうかを確認してみることは無駄ではないと思います。
また、価格を上げても売れるのにそうしていない場合もあります。
商品ページの画像を撮り直す(または差し替える)、商品の説明をしっかりする、ECサイト全体の動線・導線の見直し、送料や決済方法の見直し、などの改善をすることで、実は価格を上げても売れるということもあります。
「価格が安いものより高いものの方が信用できる」「セールになっているものは売れ残りではないか」というお客様もいらっしゃいます。
商品・サービスの内容が伴っており、それをきちんと説明することで購入してもらえるかもしれません。
もちろん、低価帯の商品の方が気軽に購入してもらえる傾向にあり、高価格帯の商品の購入には慎重になるというのが一般的だと思います。
「値段が安い=売れる」ということだけが正解なのかは、少し疑ってみても良いかもしれません。
まとめ買い・セット買い
商品の単価を上げることができない場合、まとめ買い・セット販売でお得感を出してアピールすると、単品買いより客単価が上がります。
まとめ買い・セット販売商品は、「送料無料」や単品で同じ個数を買った場合に比べてお得な価格設定にします。
単品で買ってもらうより、送料や梱包材の費用、人件費の削減にも繋がります。
送料無料ラインを設ける
「○○円以上で送料無料」としておくと、それに合わせてまとめて購入してくれるので、客単価が上がります。
送料無料ラインに届かないことが原因で購入をやめてしまうお客様がいるかもしれませんが、「利益がでない取引はしない」と、どこかで線を引く勇気も必要です。
まとめ買いしやすいように、おすすめ商品や関連商品の提案などもしておくと良いでしょう。
「松・竹・梅」の価格設定や、高価格帯の投入
マーケティングの戦略の一つである、「松・竹・梅」というワードをよく耳にすると思います。
例えば、同じような商品で、松(1万円)・竹(5千円)・梅(3千円)の3つの価格のものがあると、中間の「竹」の商品を選ぶ傾向にあるという消費者の心理を利用して、一番売りたい商品を「竹」に設定するという方法です。
私も生活している中で、これは「松・竹・梅」だな思う価格設定に出会うことはよくあります。
そして、やはり「竹」を選びがちです。(笑)
「松・竹・梅」は定番だけあって、効果はあると思います。
「梅」では売上が伸びない、利益が薄いという時は、「竹」を選んでもらえるように「松」の商品も用意しましょう。
「松・竹・梅」と似ているのですが、もう一つご提案したいのは、高価格帯の商品を投入するということです。
例えば、5千円、3千円という価格帯の商品が大半のショップであれば、2万円の商品を並べてみます。
2万円の商品は、よく知られているブランドの商品や、巷でよく売れる人気の商品であれば、なお良いです。
こうすることで、5千円、3千円の商品が、それらだけを並べている時よりも高級に見えるということがあります。
ショップ全体のイメージアップにも繋がります。
そして、実際に並べてみると、2万円の商品もあっさり売れるということがあるかもしれません。
(絶対に売れるという保障はしませんが、そういう経験はあります。)
まとめ
通販サイトの売上の方程式は、「訪問者数×購入率×客単価」。
この一つ一つの数字が高くなるほど、売上の数字がアップします。
今回は、購入率アップ、客単価アップの施策についてお話しました。
ショップを見つけて訪問してもらう、そして購入していただく、これが売上を伸ばす第一段階です。
購入してくれる人数が増えてくればおのずと売上が伸びて来ます。
さらに、購入者の中で、繰り返し利用してくれるお客様が増えて来ると安定してきます。



