このシリーズは5回の連載記事です
今回は「第3回:集客は『お店を見つけてもらう』ことから始めよう」です
売上を伸ばすには、ショップに来てくれる人を増やすことが重要
ネットショップを開設したら、売上を伸ばすというフェーズに入ります。
売上の方程式は、「訪問者数×購入率×客単価」と言われています。
- 訪問者数:ショップに何人来てくれたか
- 購入率:訪問者の内、何パーセントの人が購入してくれたか
- 客単価:一人のお客様の購入金額
①~③の一つ一つを伸ばすことによって、「売上」という数字が大きくなります。
今回は、①の訪問者数を増やすにはどうしたら良いかということについてお話します。
待つだけではお客様は来てくれない?
無名の小さいお店の場合、ネットショップを開店しただけでは来店客はすぐには見込めません。
実店舗で例えると、人通りの多い駅前の大通りに面しているショップ、大型商業施設にテナントとして出店しているショップなどは、全く無名であっても全く宣伝をしていなくても、たまたま通りかかった人が入店してくれるということはあります。
では、山奥にぽつんと一件だけある小さいショップではどうでしょう。
たまたま見つけてくれる人はいません。
宣伝をする必要はありそうです。
魅力的なショップであれば、口コミで時間をかけてジワジワ来店客が増えるということもあるでしょう。
ネットに自社型ECサイトを開くというのは、この「山奥にぽつん」状態だと思ってください。
不安にさせるつもりはありません。
ネットなら、見つけてもらえる仕組みを作れば、お客様はちゃんと見つけてくれます。
また、山奥のお店に時間をかけてわざわざ足を運ぶということなく、自宅にいながらや通勤途中など、どこにいても24時間いつでも利用できるというのが、ネット販売の強みです。
何をすればネットショップに来店してもらえるの?
では、どのような方法で見つけてもらえるのか、来店してもらえるのかを具体的に考えてみましょう。
- SEO(検索エンジン最適化)を意識する
- SNSやブログで発信する
- メルマガの活用
- リスティング広告(検索連動型広告)
順に解説します。
① SEOを意識する
ネットショップへの集客と言えば、SEOは意識しておく必要があります。
SEO(検索エンジン最適化)とは?
お客様が欲しい商品やサービスを探す時に使うのが、ネットでの検索です。
SEO対策とは、Googleなどで検索した時に、見つけていただきやすくするということです。
検索結果の上位にあると、見つけてもらえる確率が高くなります。
ネットで検索するときに、キーワードを入力して検索しますよね。
「この商品・サービスを探す時に、お客様がどのようなキーワードを使って検索するだろうか」ということを意識して、商品名や説明文に盛り込んでおくと、検索でヒットして見つけてもらえる確立が高まります。
SEOの意識しすぎは不自然さを招く
ただ、SEOを意識しすぎると、不自然にキーワードを詰め込んだ文章になったりします。
そういう文章は、お客様にとって読みづらいかもしれません。
Googleも「ユーザビリティ」を重視してサイトを評価しているようです。
こういう点でも、前回の「第2回:商品ページを充実させよう」でお話したように、商品詳細ページの説明文を丁寧に作ることが自然とSEOに役立ちます。
キーワードは程よく意識する
逆にSEOを全く意識していない場合、丁寧に説明文を作っても、肝心のキーワードがどこにもなくて、お客様が検索してもヒットしないということになります。
これもまた、お客様の役に立っていないということになります。
SEOは程よく意識して、程よく盛り込むということが大切かと思います。
② SNSやブログで発信する
SNSやブログで発信することも集客には有効です。
それぞれに特徴やユーザーの年齢層など傾向がありますので、商品・サービスの種類や目的に応じて使い分けると効率よく運用できます。
始めやすいSNSなどのメディア
- Instagram(インスタグラム)
- X(旧Twitter)
- Threads(スレッズ)
- Facebook(フェイスブック)
- note
- ブログ
Instagram 、Xは簡単に始めることができて、利用しているユーザーが多いため、集客のために使っている個人・企業も多いメディアです。
また、フォローしてもらえれば、継続して投稿を見てもらえる可能性があります。
ブログ、noteは長文での発信ができることと、ECサイトへのリンクを貼ることで興味を持った方が来店してくれる導線を作ることができます。
YouTube、TikTokは動画の編集が必要なので少しハードルが高いかもしれませんが、ショート動画ならスマホで作ることもできます。
Instagramをする方であれば、Instagramリール(最大90秒の動画)から挑戦してみることもおすすめです。
Instagram はネットショップと親和性が高い
Instagram はネットショップと相性の良いSNSです。
写真やショート動画と短い文章の組み合わせで投稿するスタイルです。
フォローしてもらえたら、投稿がフィードに流れるので見てもらえます。
ショップのプロフィール画面で投稿を一覧で見てもらうことができます。
投稿する際にハッシュタグを付けておくことで、Instagram内で検索して見つけてもらえる可能性もあります。
「発見タブ」に興味関心がある投稿が表示される仕様になっているので、あなたのショップの商品やサービスを探しているユーザーに表示されるということも、もしかしたらあるかもしれません。
Instagram では、投稿の文章にリンクを貼ることはできませんが、プロフィール欄にECサイトのURLを表示することができます。
また、ECカートに Instagramと連携する機能があれば、写真に商品のタグをつけて投稿することで、商品ページと連携させることが可能です。
X(旧Twitter) のリンクから集客につなげよう
・X(旧Twitter)では投稿にリンクを貼れます。
・「Twitterカード」という形式でリンクを貼れます。アイキャッチ画像・タイトル・説明文を表示することができます。※ECカートのプラットフォームで OGP(Open Graph Protcol の略)設定をしておくことにより表示されます。
しかし、これらの外部リンクを投稿する頻度などによってはXにスパムと認識されてしまう場合があるようです。
注意点などをこの後に解説します。
プロフィール欄にECサイトのURLのリンクを設置しておくことは問題ありません。
「詳細はプロフィールのリンクから」と投稿に書いておくことで、プロフィールへのアクセス、プロフィールからECサイトへのアクセスが増えます。
X(旧Twitter)での外部リンクの注意点と、その回避策
投稿にリンクを貼ること自体は禁止されていませんが、不適切と判断されるとXの評価を落とすことになります。
「スパム扱い」や「表示制限(インプレッション低下)」にならないように気をつけましょう。
外部へのリンクはなぜマイナス評価につながるの?
投稿に外部へのリンクを貼ることは、「ユーザーが外部サイトへ移動してしまう」=「Xの中での滞在時間が減る」ことにつながることが理由のようです。
そのため、リンクを含む投稿にはマイナス評価が下される傾向があります。
- 同じドメイン(自分のサイト)のURLを短時間に何度も貼る
- 説明文が短くURL主体の投稿をする
こういった、ネットショップでの宣伝でありがちな行為をスパムとみなされることがあるので、注意しましょう。
特に注意したいNGパターン
- URLだけの連投
- 投稿の1行目にURL
- 短縮URLの多用
Xの中で完結する「役立つ情報」を発信しているかという点がポイントのようです。
安全な方法は主に2つあります。
- プロフィール欄にECサイトのURLのリンクを設置しておく
・投稿では役立つ情報を発信し、「詳細はプロフィールのリンクから」と書きます。 - 「リプライ欄」にリンクを貼る方法
・メインの投稿(1通目)にはリンクを貼らず、その投稿だけで役立つ情報をしっかり書きます。
・「詳しくはこちら」とリプライへ繋げます。
・返信(リプライ)欄にECサイトへのリンクまたは商品ページへのリンクを貼ります。
ネットショップへ誘導したい場合は、
Xの中で完結する「役立つ情報」を発信し、
興味を持ってくれた人に「リプライ欄」や「プロフィール」でショップへのリンクを提示するのが、安全で効果的な方法です。
※2026年3月現在の情報です。
※規約は変更されることがあります。X(旧Twitter)にて、最新の規約を確認してください。
ブログ・note で長文の発信ができる
ネットショップの商品ページで書ききれないことや、Instagram・X(旧Twitter)では伝わらないことなどがあると思います。
商品・サービスへの思いやエピソードなどをじっくり伝えることができるメディアがブログや note です。
note は個人や企業のユーザーが増えており、アカウントの開設をすればすぐに始めることができる気軽さがあります。
また、文字情報だけで発信できるので、「書く」ことに専念できるという点が魅力というユーザーも多いようです。
そんな note のユーザーであれば、読むことが好きな方が多いはず。
じっくり読んでくれる方と出会えるチャンスです。
note の記事が ネットでの検索結果に表示されることも増えているので、検索からnote経由での集客の可能性もあります。
商品ページや LP(ランディングページ)へのリンクを貼っておけば、note で興味を持ってくれた方が訪問してくれるかもしれません。
ブログは note より自由度が高く、より多くの情報を自由な形で伝えることが可能です。
note と同様に、思いに共感してくれた方が、商品ページや LP(ランディングページ)へのリンクをたどって ECサイトまで来てくれるかもしれません。
ECカートASPによっては、外部サイトにカートを設置できる機能を提供しています。
その機能を使えば、ブログで商品への熱い思いを綴り、その場でカートから購入してもらうことも可能です。
SNSやブログからのリンクがSEO対策に
外部のメディアからリンクが貼られていると、検索エンジンは役に立つサイトと評価します。
SNSやブログ、note などからリンクを貼ることがSEO対策にもつながります。
※アルゴリズムは複雑です。様々な要因が関係しますので、一概に検索結果で上位表示されるとは限りません。
1つか2つから始めてみよう
SNSやブログ、note などを続けていると、そこから来てくれるお客様が実際に購入してくださることが増えてきます。
ネットショップをオープンしただけでは入り口が一つ(検索結果からの流入)だけですが、ショップの入り口が複数になるイメージです。
たくさんのメディアを運営するほど、より多くの方に見てもらえる機会が増えますが、一つのメディアだけでも定期的に投稿を続けるのは決して簡単なことではありません。
まずは1つか2つから始めてみることをおすすめします。
「週2回、何曜日と何曜日に投稿する」などと決めておくとよいでしょう。
ほとんどのSNSに予約投稿の機能がありますので、見てもらいやすい時間帯・購入につながりそうな時間帯に投稿することも可能です。
③ メルマガの活用
ECカートASPにメルマガの機能がある場合は利用をおすすめします。
たまたまショップを見つけてくれて、初回は購入に至らなくても、メルマガだけ登録してくださる方もいらっしゃいます。
このような方にも、一度購入してくださった方にも、定期的にメルマガを送信することにより、ショップを思い出してもらえるというメリットがあります。
開封せずにそのままゴミ箱行きということもあるかもしれませんが、私の経験上、メルマガ送信後は訪問者数が増えます。
その中から注文してくださる方はわずかであっても、ショップをのぞいてくれるということ自体がとても嬉しくありがたいことだと思います。
④ リスティング広告(検索連動型広告)
ECサイトへの流入を増やすためによく使われる広告は、リスティング広告です。
Google、Yahoo で検索されたキーワードに連動して、検索結果にテキスト広告を表示させる方法です。
SEO(検索エンジン最適化)の対策をしても、思い通りに上位表示させるのは難しいものです。
検索結果のページの上部や下部の目立つ位置に表示させるリスティング広告は、SEOだけで集客するより効果を期待できます。
日本国内での主要なリスティング広告は、Google広告とYahoo!広告です。
この両方を利用できれば良いですが、初めてなら、どちらか一つから試してみると良いと思います。
Google広告はシェアが多いと言われており、予算(一日の平均予算)の上限を設定することも可能です。
リスティング広告のメリットとデメリット
リスティング広告は「クリック課金制」となっており、広告を出稿する時点では費用は発生しません。
ユーザーが広告をクリックして、サイトのページに遷移した場合、料金が発生します。
ただし、クリックしてページに遷移しただけで課金されるので、訪問してくれても注文・成約に至らない場合は、広告費だけが発生することになります。
広告の設定が肝心
リスティング広告は、広告を出稿する際の設定が重要です。
Google広告を例にすると、「キーワード」「広告」という設定項目があります。
キーワードと広告の見出し、説明文などを設定しますが、ここが肝心だと思います。
SEOの基本的な知識は必要かと思います。
配信するターゲットを細かく設定することもできます。
リスティング広告は適切に使えれば「費用対効果が高い」となる可能性がありますし、適当・闇雲にやると、「無駄打ち」という結果になる可能性もあります。
管理画面で効果測定のデータを得られるので、分析して改善をしていくことも可能です。
自社で運用、または代行サービスを利用することも可能
広告の効果や、お客様の動向からの肌感というものは、店主や現場に携わるスタッフが一番よく分かっているはず。
自社でリスティング広告の運用をできると良いのですが、専門的な知識が必要であったり、時間をかけられないこともあるかもしれません。
入札単価などの仕組みの理解も必要です。
自社で運用するのが難しい場合、リスティング広告の代行サービスを利用するのも一つです。
例えば、カラーミーショップでは「かんたんリスティング」という、プロが代行してくれるサービスの利用も可能です。
そのほかのネット広告
リスティング広告には、上記の「検索広告(テキスト広告)」ともう一つ、「ディスプレイ広告」があります。
他にも、Instagram や X で配信する広告などもあります。
ECサイト集客への直結という点では、まずは今回解説したリスティング広告(テキスト広告)をやってみることをおすすめします。
最も大切なこと
リスティング広告の遷移先の商品ページ、LP(ランディングページ)をきちんと整えておくこと、購入・成約への導線を整えておくということは最も大切ですので、しっかり準備をしておきましょう。
一般的な検索結果からや、SNSやブログ、メルマガから訪問してくれる場合も同じです。
せっかく訪問してくれても、すぐ他のサイトに移ってしまわれるというのは、とてももったいないことです。
全てのお客様を引き留めることは不可能ですが、少しでも長く滞在してもらえるサイト、一人でも多くのお客様に満足して利用してもらえるショップを目指しましょう。
おすすめの本
売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。
「販売編、業務編、組織編、戦略編」の4つの分類に整理し、ECの全体像がわかる内容となっています。
販売促進だけでなく、複雑化するEC事業の経営ノウハウが集約されています。
本書の内容を理解した「AIコンサルタント」に24時間いつでも質問できる特典付き。
「集客方法がわからない」「売上を伸ばしたい」「時間が足りない」などのなどの悩みや、ECの組織運営、戦略について学びたい方に役立つ一冊です。
小手先のテクニックではない、本質的なことを書かれています。
新しく始める方にも、運営暦が長い方にもおすすめです。
売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。
同じ著者(坂本 悟史氏)の前著です。
通称 “黄色本” と呼ばれる、増刷16回・26,000部のベストセラー。
「100の法則」が見開きごとに書かれていて、図解や表、キャプチャを用いてわかりやすく解説されています。
ネットショップの基本から集客、追客などを網羅。
私もこの本を手元に置いていました。本質的・普遍的なことが書かれていると思います。
まとめ
ネットショップの売上の方程式は、「訪問者数×購入率×客単価」です。
今回は、訪問者数を増やすにはどうしたら良いかということについてお話しました。
- SEO(検索エンジン最適化)を意識する
- SNSやブログで発信する
- メルマガの活用
- リスティング広告(検索連動型広告)
①のSEOを意識することは必要です。
ユーザー(お客様)にとって使い心地の良いサイトであるかどうかということも、検索エンジンからの評価のポイントになります。
②SNSやブログで発信することも、流入の経路を増やす手立てとなります。
無理のないように1つか2つのメディアから始めて、続けることが大切です。
ファンの獲得にもつながります。
③メルマガは、お店のことを思い出してもらうツールです。
④リスティング広告は、そのシステムやSEOを理解して利用するのが望ましいです。
自社でももちろん運用できますし、外部に委託することも可能です。










